■ロッテ時代
■中日時代
■巨人時代
■日本ハム時代
■その他
ここでは三冠王・落合博満のバッティングの変遷を追う。意見や補足事項は掲示板にて募集中。左の写真は2度目のオールスター出場時。解説の張本勲が「この時点で21本のホームランはすごいがそのほとんどがライト方向とは変わったバッターですね」とコメントしていた。

落合のバッティングは俗に「神主打法」と呼ばれる、バットを前に倒しピッチャーの始動に合わせ自らも始動し、長くボールを見極め、広角に打ち返す。真実は別として本人曰く「常にバックスクリーン狙い」で「ホームランの打ちそこないがヒット」であり「レフトにスライスをかけ、ライトにフックをかける」打法である。落合のバッティングはロッテから中日に移籍し長期のスランプに陥ったとき、解説者が「コーチと言えど下手にいじれない」といわしめるほど難しく、バッターの分解写真を解説した書籍などでも落合のページでは管理人が見る限り、本人以外がフォームを分析したものにめったにお目にかかったことがない。

(86年「Number」のインタビューより)
―正面に構えたバットを前に倒すという独特なバッティングフォームはどうしてできたのですか?
 力がないからバットを倒すようなあんなうち方をするわけよ。力があったらだれもそんなことやらないよ。外人を見てればよくわかる。外人はそんなことしないよ。バットを倒して何とか力を蓄えてボールにぶつけていこうとする。

この言葉はインタビューの一節だが、自身の著書の中では「神主打法」の理由として「右肘が内に入らないようにするため」と語るのみで上記のような理由というのは述べていない。

常々自身のバッティングフォームを解説するときに「始動を早くしてトップに早めに入る」と語っているが、ココでは始動の瞬間を年代によってピックアップしてみた。
構えからゆっくり動き出す瞬間が左側の画でピッチャーのテイクバックの1コマで、右側の画はピッチャーの手からボールが離れる瞬間の1コマ。2つのコマは11コマ分の時間差があるが、縦に観たときはまったく同じタイミングになっている。

特集01 始動の変遷
ピッチテイクバックの瞬間
リリースの瞬間
84年
86年
87年
90年
93年
96年
98年

落合のバッティングフォームはわりとシーズン中にもコロコロかわるほう。デッドボールを受けたあと、腕が上がらなければ腕を上げない打ち方をする。

(86年「Number」のインタビューより)
―デッドボールのあとバットを前に倒さずに構えましたね。

 倒さなかったんじゃなくて倒せなかったんだよ。1回の死球で腕が上がらなくなってね。ただこれを教わってやってる人なら手が挙がらなくても一生懸命手を上げバットを倒そうとするよな。教えられた形を守ろうとするでしょ。でも上がらないものは上がらないんだよな。上がんなかったら上がんないようなうち方をすりゃいいのに。

第三者からみても構えのときのバットの倒し方などはキャッチャーの目線あたりに真横に倒すときもあるし、200号を今井から放ったときはバットを倒さずに打っていた。
1段目の画像は84年オールスター、郭との対戦のものだが2段目の画像86年オールスター、金石との対戦のときとほぼ同じに見える。3段目の画像は87年中日移籍1年目のものだがタイミング的にはまったく一緒といっていいが、テイクバックが(右側の写真)若干下に下がっている。
4段目の画像は90年オールスターで売り出し中の野茂との対戦だが、姿勢がそれ以前に比べると少し傾き始めている。
次の93年オールスター赤堀との対戦から大きく変わり、すでに左側の写真ではトップに入る直前までいっており、そのタイミングの取り方は引退する年の98年までほぼ同じである。6段目の96年紀藤との対戦時は右の写真で左足がベースよりに跳ね上げられている。この件については3000本安打を放った張本が96年「週ベ」上で次のように語っている。

「落合は昨年と比べてわずかに親指分くらいホームベースから離れた位置に立ってるんです。年齢的に体の近くの速い球を打つのが苦しくなってきたという意識からでしょうが、そのために内角が楽に打てるようになった。ほかに軸足にウェートを残す割合を大きくしてそれを前方に移動させる反動で打つように変えています。ちょっと見にはわからないごく些細なことですが長打が出ている理由はこの工夫にある。それに気がついたのはさすがですね」

写真を見て全体的に、年を追うごとに構えが丸っこくなっている印象を受ける。

■落合のフォームを大研究!
1 1981年以前 1塁側から 1 ? 1塁側から
2 1982年 1塁側から(上半身) 2 1987年 バックスクリーン側から
3 1985年 1塁側から 3 ? 1塁側から
4 1986年 3塁側から 4 1993年 1塁側から
5 1986年 バックスクリーン側から 5 1993年 バックスクリーン側&3塁側から
6 1988年 1塁側から

落合のバッティングを解説できるとしたらこの人しかいないかもしれない……86年「Number」で張本勲は常識をくつがえす落合のバッティングについて徹底的な分析を行っている。「連続三冠王の可能性は?」と題された分析の一部をココに紹介。

腰を開いてなぜ打てる
 バッティングの基本は投手寄りへ、まっすぐかホームベーすに近づくようにステップして打つことだ。しかし落合は左足をアウトステップし腰も開いていながら豪快に痛打を連発する。基本に外れていながらどうしてあれほど打てるのだろうか。
 その秘密はまず打席の位置にある。体の開きを計算してホームベースよりに立っている。他の選手でいえば広島の山本浩二と同じ。かつての長島さんもそうだった。一言でいえば「打に自信のある型」といえよう。
 利点としては、ベースに近いから外角の甘いコースが「真ん中」に感じられ長打できる。したがって難しい球を長打できる可能性が高まる。
 次にスタンスが狭いことが注目される。自然流というか、次の動作を鋭く、すばやくでき、体のパワーも十分生かせる。そしてスピードに十分ついていける。ステップが広いとパワーは発揮できたとしても、次の動作を俊敏にできない。相撲でガップリ組んだとき、力士は足を大きく開いていない。それと共通点がある。
 落合のすばらしいのは体が開いても右肩はしっかり残っている点だ。これはバットのヘッドが体の内側に残っていることで、強く柔軟なリストからバットをしならせ、ムチのように使うことができる。棒でたたかれるよりムチのほうが痛い、ボールもガツンと打つよりピシっと打ったほうが遠くへ飛ぶものだ。

独特のミートポイント
 好打者はボールを体の近くに呼び込んで打つ。落合は他の平凡な打者より30センチから40センチはひきつけていると思う。かつては王は打席の一番後方に立ち、一本足で引きつけるだけ引きつけてホームランを打った。18・44のバッテリー間が王にかかると1メートルは長くなった感じになる。それだけ速球も変化球も見極められる。ただ手首の固い人は呼び込むと打球がつまってボテボテになる。落合はリストに天性の柔らかさがあるから投球のスピード、威力に負けないのだ。

ライトへ打つホームラン解剖
 外角は当然のことながら、落合は時には内角球も右翼スタンドへ放り込んでしまう。これはボールを引きつけ、ポイントが近いことからくるが、バットのヘッドの角度が左翼方向を向けばレフとスタンドへ行く。ただ落合にも苦手ゾーンはある。内角高めの快速球だ。これは簡単に右翼スタンドというわけにはいかない。したがって内角高めは振るというよりボールにバットを「ドーン」とぶつけるようにさばいている。どうしても振り遅れるからで、このテクニックで内角球を打ち、真ん中から外側の甘い球はきっちりバットの角度を計算して見事に振り切っている。かつて王は外角球を右中間へ引っ張っていた。けっして流し打ちのようには打たなかった。落合と王の違いはそこにある。

狙い球を絞る天才
 落合はヤマを張る打者ではない。彼はよく「見取り練習」というが、これは相手投手を観察し投球パターンを読むことである。「読みで打つ」との表現がピッタリで過去自分が攻められた内容と他の打者を攻めるパターンを瞬間的に判断し、頭の中でまとめて打席に立っている。データとその日の投手のパターンをしっかり分析できるから変化球も読みが当たるしひきつけて強打できる。彼は、バットやボールが改良され、思い切って振らなくても打球は十分飛ぶことを肌で知っているから決して無茶振りをしていない。
 弓を引くようにバックスイングし、左の腕に余裕を持たせて読みきった球種を狙う。ヒザを十分使ってタイミングをはかりパワーも生み出している。腰より足を使って速球と変化球を打つ。足を使うと思ったより遠くへ飛ぶものだ。腰は決して強いほうではない。

特集02 独特のインコース打ち
構え
トップ
振り出し
インパクト
インパクト2
フォロースルー
85年
87年
93年
?年
96年
外角をライトへ流し打つバッティングに巧さの印象がある落合だが、内角球を打つ技術も独特でかつ芸術的。ここでは内角それも高めをホームランした打席を集めてみた。なぜか左ピッチャーのときのものが多いが、たぶん偶然。「内角はポイントを前に」という基本とは異なるように見える……詳しくはわからない(笑)。

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